産科医療補償制度について
財団法人 日本医療機能評価機構(厚生労働省所管)
『産科医療補償制度』当クリニックは産科医療補償制度参加施設です。
当院では前期母親教室で登録用紙に記入し提出していただいた後
登録証をお渡ししています。
新しい命の誕生―――。
これほどしあわせな瞬間はありません。
お産の現場では、赤ちゃんが健康で、元気に生まれてくるために、
医師や助産師などがたいへんな努力をしていますが、
それでも予期せぬことが起こってしまうことがあります。
「産科医療補償制度」は、お産をしたときになんらかの理由で
障害を抱えた赤ちゃんとそのご家族のことを考えた新しい補償制度です。
いつからスタート?
2009年1月以降に生まれた赤ちゃんから対象になります。
このため、分娩機関(病院、診療所、助産所)での手続きの開始は
2008年10月からとなります。
補償対象は?
原則的には体重が2000グラム以上、かつ、妊娠33週以上のお産で
重度の脳性麻痺となった赤ちゃんが対象になります。
妊娠28週以上の場合も補償対象となることがあります。
補償内容は?
看護・介護のために、600万円が準備一時金として、
その他に総額2400万円が補償分割金として1年1回 合計20回支払われます。
原因を知ることはできる?
この制度では、分娩期間に協力してもらい、可能な限り原因分析を行い、
その結果をご家族にお知らせします。
また、再発防止にも役立てていきます。
どこでお産をしても大丈夫?
この制度に加入している分娩機関でお産をすると、
万一の時に補償の対象となります。
分娩機関がこの制度に加入しているか必ずご確認ください。
お願い
この制度に加入している分娩機関では、妊産婦の皆様に、
この制度の対象者となることを示す「登録証」を交付します。
必要事項の記載などについてご協力お願いします。
◆産科医療補償制度標準補償約款の概要◆
- 目的
- この補償制度は、分娩に係る医療事故(過誤を伴う事故及び過誤を伴わない事故の両方を含みます。)により脳性麻痺となった児及びその家族の経済的負担を速やかに補償するとともに、事故原因の分析を行い、将来の同種事故の防止に資する情報を提供することなどにより、紛争の防止・早期解決及び産科医療の質の向上を図ることを目的とします。
- 用語の解説
- 「分娩」とは、胎児及び胎盤等が母体外に排出されることをいい、帝王切開による場合も含まれます。
- 「重度脳性麻痺」とは、身体障害者福祉法施行規則に定める身体障害者障害程度等1級又は2級に相当する脳性麻痺をいいます。
- 「運営組織」とは、産科医療補償制度の運営を行なう者として本制度加入分娩機関が指定する者をいいます。
- 「補償請求者」とは、この規程に基づき補償の請求を行なう児又はその保護者をいいます。
- 「確認日」とは、児の誕生日(出生日を含みます。)の属する月の初日をいいます。
- 本制度加入分娩機関の支払責任
- 本制度加入分娩機関の管理下における分娩により原則として出生体重2,000グラム以上、かつ在胎週数33週以上の基準を満たす状態で出生した児に重度脳性麻痺が発生し、運営組織がこれをこの補償制度に基づく補償対象として認定した場合は、その児に対し、この規程の定めるところにより保証金を支払います。なお、在胎週数28週以上の児についても、個別審査によって補償対象となる場合があります。
- 補償対象としない場合
-
運営組織は、次に掲げるいずれかの事由によって発生した脳性麻痺については、
この制度の補償対象として認定しません。- 児の先天性要因(両側性の広範な脳奇形、染色体異常、遺伝子異常、先天性代謝異常又は先天異常)
- 児の新生児期の要因(分娩後の感染症等)
- 妊娠若しくは分娩中における妊婦の故意又は重大な過失
- 地震、噴火、津波等の天災又は戦争、暴動等の非常事態
運営組織は、児が6月未満で死亡した場合は、この制度の補償対象として
認定しません。 - 保証金の種類ならびに支払額、支払回数及び支払時期
- 補償金は、準備一時金及び補償分割金とします。
- 準備一時金は、運営組織がすべての書類を受領した日から原則として60日以内に支払います。
- 補償分割金は、確認日又は運営組織がすべての書類を受領した日のいずれか遅い日から原則として60日以内に支払います。
- 補償金は、準備一時金及び補償分割金とします。
- 補償対象の認定手続
- 補償請求者は、補償認定依頼書など別に定める書類を分娩を行なった加入分娩機関に提出し、加入分娩機関が運営組織に対して補償認定の請求をするものとします。
- 認定申請期間は、原則として児の満1歳の誕生日から満5歳の誕生日までの間とします。
- 運営組織内に設置する審査委員会において補償対象に該当するかどうかを審査した後に、補償請求者及び加入分娩機関に対し、認定に係る審査結果通知を発出するものとします。
- 補償請求者は、審査結果に不服がある場合は、運営組織が定める不服審査手続きに従って再審査請求を行なうことができます。
- 補償金の請求手続
- 補償請求者が運営組織から補償対象として認定を受けた場合は、補償請求者は、補償金請求書など別に定める書類を運営組織に提出するものとします。
- 補償請求者は、毎年支払われるべき補償分割金を受けるに当たり、現況確認書など別に定める書類を運営組織に提出するものとします。
- 損害賠償金との調整
- 補償対象となる脳性麻痺について加入分娩機関又はその使用人などが補償請求者に対して損害賠償責任を負う場合は、当該機関が既に支払った補償金は、優先して当該損害賠償金に充当されるものとします。
- 妊婦の登録及び転院の場合の取扱い
- 加入分娩機関は、当該期間が妊娠管理を行なうすべての妊婦に対して、当該機関の管理下における分娩により出生した児がこの補償制度の対象者となることを示す登録証を交付します。
- 妊婦は、登録証を交付された分娩機関以外の分娩機関で分娩する場合は、登録証を当該分娩機関に提示し、当該分娩機関が本制度加入分娩機関であるかを確認するものとします。
- 妊婦が登録証を交付された分娩機関以外の分娩機関へ転院した場合又は登録証を交付された分娩機関の管理下で分娩する場合、当該機関は、当該機関の補償金の支払責任を免れるものとします。
- 運営組織
- 運営組織は、補償対象として認定した脳性麻痺について、産科の専門家及び学議経験者等によって構成される原因分析委員会において脳性麻痺が生じた原因を分析し、当該加入分娩機関及び補償請求者に報告するものとします。
- 運営組織は、分析した個々の原因を体系的に整理・蓄積し、広く社会に公開することにより、将来の同種の脳性麻痺の再発防止等、産科医療の質の向上を図ることとします。
- 個人情報の取扱い
- 加入分娩機関及び運営組織は、この規定の運用に当たり、補償請求者及びその親族の個人情報(過去に取得したものを含みます。)を補償対象の認定、補償金の支払い等を行なうために自ら利用するほか、業務委託先等に対して個人情報の提供を行なうことがあります。